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絞首刑の事故:サダム・フセイン元イラク大統領の異父弟(その2) 首の切断

資料4抜粋

2007年1月15日にイラクのバグダッドでサダム・フセイン氏の異父弟バルザン・イブラヒム・アル=ティクリティ(Barzan Ibrahim al-Tikriti)氏が絞首刑を執行された時に、落下と同時に首が切断されて、頭と胴体が分離して落下しました。イラク政府は、国の内外からの批判を恐れて、この出来事が故意に行われたものではないことを示す必要に迫られました。そこでイラク政府はこの死刑執行の様子を記録したビデオテープをマスコミに限定して公開しました。結果としてこの事例は世界中に広く報道され知られることになったのです。

2007年1月16日付ニューヨークタイムズは「2回目の絞首刑でもまた失敗。 イラクの録画が示す 2人のうちの1人の首が切断された フセイン異父弟の死刑台の計算ミスがぞっとするような結果に」との見出しで報じています。

以下はこの記事(英語)の一部を訳したものです。この資料の引用はお断りします。

《引用開始》

絞首刑の後13時間以上たってから、小人数のイラク人と欧米のレポーターに対して放映された公式のビデオでは、サダム・フセインの元国家情報局長官だったバルザン・イブラヒム・アル=ティクリティが、キューバのグァンタナモ湾にある米国の収容所で使用されているのと同じ炎のようなオレンジ色のつなぎを着て、踏板の上に不安げな様子で立っているのが見えた。彼の頭と口ひげは剃られていた。彼の脇には、もう1人の死刑判決を下された男である元フセイン革命裁判所長、アワド・ハミド・アル=バンダルが同じような出で立ちで熱心に祈りながら立っていた。

肩より上をすっぽりと覆う帽子を身につけた死刑執行人たちが、2人の男性の頭の上に黒いフードをかぶせたあと、彼らの首に輪縄をかけて、踏板を開くレバーを引いた。2人は重りのように落下した。

・・・(中略)・・・

ビデオは、ロープがぴんと張った時に彼の頭がもげて、最後にはフードの中に入ったまま絞首刑台の穴の中で頭の無い彼の遺体からおよそ5フィートのところに転がっている場面を映し出した。

イブラヒム氏の上方で、バンダル氏がロープからぶら下がっているのを見ることができた。イブラヒム氏の体は、暗くじめじめした穴の底で血だまりの上にうつぶせになっていて、切断された彼の首がそばにあった。音声の入ってない3分間のビデオがそこで突然終わった。その際に当局者はこのビデオについて一度だけ上映し二度と公開して見せることはないだろうと言った。

・・・(中略)・・・

処刑に関わった関係者の他の者は、よりあっけにとられたようだった。「踏板が開いた時、私はロープが何もぶら下がってない状態でゆれているのを見ている自分に気づきました。そして自問しました。バルザンはどこへいったんだろう?」と述べるのは、フセイン氏とイブラヒム氏とバンダル氏に対する死刑宣告で終わった裁判の主任検察官であったジャハ・アル=ムサウィ氏であった。彼は付け加えた。「私は彼はどのようにかして輪縄を抜けたのだろうと思いました。それでその穴の方へ移動して下を見ました。そして、床に横たわっている頭のないバルザン死刑囚を見ました」

《引用終了》

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