Home > 裁判資料 > 絞首刑の事故:日本の長島高之助氏 ロープの外れ

絞首刑の事故:日本の長島高之助氏 ロープの外れ

資料14抜粋

1893年(明治26年)7月27日に東京市ヶ谷監獄署で長島高之助という男性が絞首刑を執行されました。彼は首からロープが外れて床に落下。2回目も落下。3回目でようやく死亡したようです。以下はその事実を報道した同年8月1日付の読売新聞記事です。絞罪機とは絞首台のことで、その構造は現在と基本的に同じです。同紙の内容によると絞首刑の際に首からロープが外れることが以前にもあったことが分かります。

《引用開始》

○土用の丑の日、鰻屋死刑に就く 去る二十七日市ヶ谷監獄署に於て死刑に処せられし内藤新宿の二人斬凶行者、同地三丁目八番地竹虎方雇人(やといにん)鰻裂き長島高之助は、当日裁判所に引出(ひきい)だされて死刑の宣告を受け、同人は頻(しき)りに愁傷の体なりしが、ややありていいける様、死期際(いまわ)にのぞみ申上度(もうしあげた)き一大事の候えば死刑三日間の御猶予を願うと声を放ちて涕泣し其の場を一寸も動かざるにぞ、看守等引き立てて刑場に引据えたるに、如何にしけん絞罪機の一度ならず二度までも外れて罪人地上に落ちたるはいまだ例(ためし)なきのみならず、別に日もあるべきに土用の丑の日に鰻裂きの男が死刑を受くるとは奇怪のことよと白髪の看守は呟きぬ。

《引用終了》

Home > 裁判資料 > 絞首刑の事故:日本の長島高之助氏 ロープの外れ

Return to page top